手術後、私は肩と腕に出た後遺症で悩みました。手術後から右腕が思うように動かせなくなったのです。主治医の説明では『副神経等の大きな神経は残した。しかし、筋肉の動きを司る細い神経まで温存させるのは難しい』とのことでした。頚部は色々な神経が複雑に絡み合っていますから仕方がないといえばそれまでなのですが・・・・・・

まずは手術前の状態。
腕を水平に伸ばしたり、垂直に上げたりと、何ら不自由なくできていたわけですが

↓

手術後は↑こんな感じになりました。腕を水平に上げる動作が全く出来なくなり、前に伸ばしてから垂直に上げようと思っても全然動かすことができません。車を運転してもハンドル回すのに苦労したり、ＴＶのリモコンを操作しようと手を伸ばすのも一苦労。日常生活に不都合が生じました。今まで当たり前のように出来ていたことが出来なくなった。これは何とかしなければと腕肩を専門に診ている整形外科に通院することに。

整形外科でレントゲン、ＣＴ、ＭＲＩで検査をした結果、肩と腕の筋肉が萎縮してきているとのことでした。整形外科の医師は『筋肉の動きが麻痺して萎縮してきています。おそらく頚部を切開した時、筋肉を動かす神経が切れたせいでしょう。』とのことでした。このままだと筋肉の萎縮が進むだけなのでリハビリを勧められました。リハビリ通院すること３ヶ月、腕はある程度動くようになりましたが・・・

それでも↑この程度までしか動きませんでした。３ヶ月経過した時点で医師は『これ以上の改善は難しいかも知れない』と言いました。私も、３ヶ月続けてこれ以上は無理かなと思い始めていたのでリハビリを止めて他の治療法を探すことに。

次に私が試したのは東洋医学でした。針、灸、マッサージで改善されないかと２ヶ月ほど通ってみたのですが期待したほどの効果は無し。東洋医学の先生も最初は色々と試してくれたのですが、一向に良くならない状態に諦めムード。治療メニューがパターン化したところで東洋医学も諦めました。

その他にも、ペインクリニックや神経内科にも通ったのですが治療効果は出ず。もう動かない腕なら壊れてもいい！！と半ばヤケクソで始めた筋力ＵＰトレーニングが思うぬ効果を発揮することに。その当時流行っていたビリーズ・ブート・キャンプを毎日欠かさず１時間、それを１年半続けたら

↑ここまで腕が上がるようになりました。最初の１ヶ月は腕と肩の痛みが酷く辛かったのですが、それを過ぎてからは筋力ＵＰの効果が体感できるように。動かなくなった筋肉は何をしても動かない。動かない筋肉の周囲を強化することで腕が動くようになったようです。腕や肩を動かすと痛い・・・だから極力痛みを抑えた方法で動かそうとしていたのですが、そんな都合の良い治療はなかったようです。最初の一ヶ月は本当に痛くて辛かったのですが続けた甲斐がありました。

腕、肩の痛み。

手術後から頭頚部の不快感、腕の不自由さ等、精神的に落ち込むことばかりでしたが、一番私を苦しめたのは首～肩～腕の痛みでした。とにかく腕や肩を動かすと鋭い痛みが走るのです。締付け感や頭痛も、この痛みに比べたら小さなものでした。

最初は首の付け根付近の筋肉が痛む程度だったのですが、日を追うごとに痛みの範囲は広がっていきました。首の付け根～肩、肩～背中、肩～腕といった具合です。整形外科でも痛みの原因はわからず、とにかく積極的に動かしていきましょうとのことでした。動かしていこう・・・と言われても、動かすたびに激痛が走るのでそんなこと出来るはずもなく。自分では積極的に動かすことはせず、リハビリの時に動かす程度でした。

そんなリハビリも３ヶ月で終了。腕は若干動くようになりましたが、痛みは相変わらずでした。消炎鎮痛剤を貼れば幾分楽になるのですが、毎日貼っていると皮膚がただれてきてそれもできず。ペインクリニックで痛みをとる注射を試してみたのですが、効果は打った当日～二日くらいまで。一ヶ月程通いましたが効果はありませんでした。医者もなぜ注射が効かないのか頭をひねるばかり。経費もかかるのでペインクリニックは１ヶ月でやめました。その後は東洋医学、神経内科と試してみるもダメでした。

結局、この痛みも筋力トレーニングを続けることにより消えていきました。激痛の中、筋トレを続けられたのは『もうどうにでもなれ！』という諦めの気持ちでしょう。ぶっちゃけると、中途半端にしか動かず、痛みもとれないのなら、激しく動かして壊れてしまえば・・・と考えたのです。完全に動かないなら諦めもつくし、いろいろな制度も利用できますからね。今考えるととても不謹慎な考えですが、当時は精神的にかなり追い込まれていたのです。

首、肩のコリ。

術後一週間くらいから肩と首がとてもこるようになりました。私のように手術後からコリで悩む人はとても多いとのことです。ストレッチをすると楽になるので積極的に動かすようにしていますが、それでも我慢できないくらい酷くなる時があります。私の主治医は我慢できなければマッサージをしても良いと言ってくれました。ただし条件付きです。頚部リンパ節に転移があった場合、癌細胞がまだ頚部に残っている可能性があるので、不必要な刺激はしない方が良いとのことでした。マッサージが癌細胞の拡散に繋がるかどうかは不明ですが、主治医の言うとおりわざわざ刺激する必要もありませんからね。マッサージは腕と肩のみです。