説得・納得
先日、電話で相談を受けた事例で、「会社が不況で退職金が一方的にカットされた」「残業時間も、実際は月40時間以上やっているのに、30時間しか支払われていない」どうしたらいいのか。という内容の電話でした。

 電話のやり取りで私は、その会社が他県に本拠地を置く会社だということもあって、従業員に対する説明不足が原因でトラブルになっていると感じました。

 退職金の一方的なカットは原則として違法で法律上無効になるし、残業手当の件も実際にやった残業について支払わないのは明確な違法行為ですから、会社側に勝ち目はありません。

 問題は、会社の置かれている状況をよく説明して、「退職金のカットについて全員の同意をえるべき」だったのにそれをやっていないこと。また、労務費の圧縮は「残業代のカット」ではなく基本給や諸手当の見直し、福利厚生の見直しを、従業員へ十分説明した上で同意を得てやるべきだったと思います。

 相談者は、労働基準監督署に相談に行っているし、弁護士や労働組合への相談も考えているようです。
 労務管理の基本は従業員に対する「説得」そして「納得」です。説明不足が引き起こしているトラブルがかなりありますので十分注意してください。