長嶋元監督、お元気ですか?

突然の脳梗塞発症から一ヶ月以上経って、5月の初めに、杖なし歩行訓練が始まったと
新聞で読みました。発作性心房細動という不整脈で、心臓から血の塊(血栓)が飛んで、
頭に詰まったそうですね。思い出せる限り、心房細動について書いてみようと思います。
 心臓は、左右に心房と心室の4つの部屋がありますが、上の方にある心房が電気刺激
で収縮すると、心室に電気が伝わって、全身と肺に血液を送るように動きます。正常の心
臓では、時計のように規則正しく、トクトク打ちます。安静にしている時、一分間に50から
100回、規則正しく打つのが、整脈の状態です。
 時計のように打たないで、リズムが狂うのは、不整脈です。そのうち最も多いのは、心
房細動です。心房は細かくふるえて動いて、脈をとると、モールス信号のように不規則に
脈が触れます。こうなると、肺できれいになった血液が、心房の中を通るとき、流れが淀ん
で、血の固まりやすい状態になります。この血栓が心房の壁からはがれて、全身に向かっ
て心臓を飛び出します。50%は、脳動脈に詰まって脳梗塞を発症します。
 監督の患った発作性心房細動は、時々、心房細動になり、短期間で正常の脈に戻る不整
脈です。慢性的な心房細動と同じように心房の中に血栓を作りますが、それには、二日
くらい掛かるようです。早くに普通の脈に戻れば大丈夫なのですが、二日以上、心房細動
が続くと、正常の脈に戻るとき、心房の壁にハタキをかけたように、血栓が飛ぶことにな
ります。
 心房細動の人は、千人に6から9人いると言われています。ところが、六十歳以上の人
では、二十人に一人が心房細動になっています。六十歳から急に増えるのですね。
 心房細動になる原因は、心臓の弁の開閉がうまくいかない弁膜症、高血圧・糖尿病から
来る心肥大、心筋梗塞などの心臓病のためにもなりますが、多くの場合は、特に原因が見
当たらないのに、細動になるようようです。疲れて帰った夜、風呂に入ってフーッとため息
を吐いたら、急にドキドキしてきたとか。
 今のところ普通の脈に戻るように不整脈の薬を飲んでもらうのがいいのか、脳梗塞に
ならないように血をサラサラにするだけの治療がいいのか、結論は出ていません。イェー
ル大学って、アメリカの東大のようなところからも、日本でも、脳梗塞の予防をしたほう
が、不整脈の薬を出して、副作用のために悪くなるよりは、5年経ってから生きている人
が、多いから、いいぞ、なんて報告も出ていますが、脈が速くて心不全になる人も居たり
して、心臓の動きが悪くなるので、みんなが、納得できる意見でもないようです。脳梗塞
にならないで、心臓の動きが悪くなって心臓が大きくなるような心不全にならないで、不
自由なく安全に暮らせるような治療は、一人一人を良く診て、決めることのようです。

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