コレステロールについて

 食生活が豊かになり、コレステロール値の高いことを心配する人が増えています。
高コレステロール血症が心筋梗塞や脳卒中の危険因子であることは、既に確立された事実です。
肥満や運動不足から血中のコレステロール値が高くなると、動脈硬化が引き起こされ、心臓(冠
動脈)や脳(脳動脈)の血管が詰まることになります。日本人の死亡原因の2,3位は、これらの
疾患ですから、何か特別に不摂生な生活をしている人だけに起こる、自分とは無縁な病気と考える
わけにはいきません。コレステロール値や中性脂肪の増加が比較的若い人たちにも見られるよう
になり、動脈があちらこちらで細くなっている人が増加しているのですから。

 コレステロールの正常値は220mg/dl以下とされていますが、低ければ低いほど冠動脈疾患の
危険は低くなるとわかってきました。血液に含まれるコレステロールの20%は食べ物由来で、
80%は肝臓で合成されたものです。コレステロールが高い場合には、まず、食事療法(卵、バター
を減らし、野菜を多く食べる)と運動療法(朝夕に20分程度速く歩く)を行いますが、動脈硬化の
危険因子の多い人はコレステロールがあまり高くないうちに薬で治療を開始することが必要です。
家族性高コレステロール血症の場合には、遺伝子の持ち方で、300mg/dl以上の高コレステロ
ール血症になる場合もあり、食べ物のせいばかりでコレステロールが高くなるとは限りません。

 最近、コレステロールや中性脂肪を下げる薬には、これらを下げる作用だけではなく、血管壁に
直接働く抗酸化作用や抗炎症作用があって、動脈硬化の進行を止める働きもあることがわかって
きました。薬を飲むことに抵抗を感じるのは自然ですが、250mg/dl以上で、食事に気をつけても
低くならず、ストレスを感じる時には、薬物療法も利点が多いので勧めています。血管に張り付いた
脂肪がやわらかいうちになら、はがれてきれいになることもあるので、健康診断などで異常を指摘
されたら、放っておかない様にしてください。


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